前回に引き続き、
地域福祉講演会の後半のご紹介です。
町永氏に続き、ご登壇頂きましたのは、稲垣康次氏。
富士宮市役所の職員であり、認知症フレンドシップクラブの事務局を勤められています。
以前から既知の間柄であるお二人。
町永氏の鋭い質問に対し、「こんなこと言っていいんですかねぇ(笑)」
といいながら、核心をつくやりとりが続きました。
富士宮市の認知症に対する先進的な取り組みは、
「始めから狙ってやろうとしたのではない」とのこと。
そもそも、現場や地域には様々な要望や人的資源があった。
そんな「声」を、(認知症の当事者である)佐野光孝氏と聞いて回る事によって
拾い、つなぐ事ができたそうです。
当事者がその中心にいることにより、
自然と輪が広がり、そこに医師などの専門家が加わっていったのだと。
時には、医師が認知症当事者役として、劇に出てくださったこともあるそうです。
また、町永氏からは、「たった一人(=佐野氏)のために行政が動くのは不公平だったのでは?」という質問も。
当初はそういった非難の声もあったそうです。
しかし、
取り組んでいるのは答えのない問題。それならば、
目の前で困っている人を救えなければ、
その向こうにいる大勢の人達を救えるはずはないーそう答えたそうです。
講演最後の質疑応答で、一つの事例をお話くださいました。
ヘルパーが家に行くと、冷蔵庫がいつも卵だらけの認知症の方。
その対策に向かうのは、何と地元商店街。
事情を聞いた商店街の方。
あるお店は返品対応しよう、他の店はレジで声かけするようにしよう、など、
各お店の方達が、自分たちで出来る対応策を話合われるそうです。
富士宮では、店長がお弁当を暖めて認知症の方に届ける、そんなコンビニが普通にあるそうです!
認知症の方が、地域で生き甲斐を持って生きるには、
同じ当事者同士のつながりが最も大事だと確信しています、
と語る稲垣氏。
今は観光課に配属されているそうですが、
これからも、NPO活動を通じて地域づくりに帆走されるそうです!
11/21に本校にて開催された地域福祉講演会。
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
前半は、福祉ジャーナリストで元NHKアナウンサーの町永俊雄氏による講演、
「『自分らしく』を作る地域力」と題し、ご講演いただきました。
冒頭、「地域の課題」といってもその間口は非常に広く、「認知症を入り口に話を進めてまいります」とのこと。
認知症の方は、2015年(10年後)には700万に達するといわれ、これは高齢者の5人に1人が認知症になる計算になります。
しかし、国がうたう「認知症の早期診断」は、それが支援に結びつかない限り「早期絶望」になるしかない。
「認知症と診断されただけで周囲の扱いが変わってしまう」困惑が、当事者からの声でやっと分かって来た、というのが現状です。
「認知症」起因のトラブルは、受け手である私たち(=地域)の混乱が原因、と町永氏は指摘されます。
『地域を創る』=『福祉を創る』こと。
いじめ、自殺、不登校など、地域の問題の根幹には「孤立・無関心・排除」が原因としてある。
『想像・関心・共感』といった、人が本来持っている力、
そんな力をもった社会が『共生社会』=「『みんなが家族』だ」と実感できる社会。
そして、地域というものにはまだまだ、
活用されていないすごい力がある、と。
最近、福祉業界で言われる言葉、
「ひとりの百歩より、百人の一歩」。
「皆で、「みんなが家族だ」と実感できる社会を創って参りましょう」。
====
講演後半部分はこちらから。
高齢になっても、皆が活き活きと暮らせる地域づくり・町づくりを目指し、
2009年に第1回を開催し、今年で7回目を迎える
「地域福祉講演会 わたしの町はみんなが家族」。
【チラシのダウンロード】(PDF 1.7MB)
今年は本校を会場として開催されます。
講演では、元NHKアナウンサーの町永 俊雄 氏をお迎えし、
「『自分らしく』を作るための地域力」をテーマにお話いただきます。
実践発表では、認知症フレンドシップクラブ富士宮事務局
の方に、認知症の方との富士登山「Dシリーズ」など、
その精力的な取り組みについて発表いただきます。
当講演会は、是非とも地域の方たちに幅広く聞いていただきたく、
本校が立地する地元香西地区の方もお招きし、ご挨拶いただきます。
参加無料でどなたでもご参加いただけます。
(ご参加希望の方は、こちらのページをご参照ください。)
皆で、”町づくり”の視点から福祉を考えてみませんか?
皆様のご参加をお待ちしております。
つい先日に入学したばかりだと思っていた
看護学科1年生。
宣誓式の晴れ舞台に臨みました。
教員手作りのコサージュを胸に。
ナイチンゲール像からの灯りを手に。
これらは、看護師である”先輩達”からの想いを表します。
その想いを引き継ぎ、
自分たちが目指す看護師像を宣誓します。
入学当初に比べずいぶんと頼もしくなった1年生ですが、
11月から始まる臨地実習へ向け、
不安や気持ちの高まりも垣間見られるようになりました。
この日、看護師への扉をたたいた学生達。
今、一つの大きな山を迎えようとしています。
実習を受入れてくださる病院の皆様、
携わっていただいている先生方・・・
これからも御指導・御鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
本日は今年度2回目となる、平成28年度生 入学試験日でした。
受験生の皆様、お疲れ様でした。
日頃の成果を発揮できたでしょうか?
次回入学試験は、11/14(土)の開催です。
岩本豊さん(ALS-筋萎縮性側索硬化症-患者の当事者)をお招きして、
「ALS患者一人ひとりが自分らしく暮らすために
私を生ききる挑戦」
と題して、講演をしていただきました。
ALSとは、運動神経が壊れて筋肉が萎縮していく進行性の難病です。
(一般社団法人日本ALS協会のHP)
岩本さんは、その恐怖を”人間性の破壊行為”と表現し、
その発症から診断、現在に至るまでの心境や体験談を、率直にお話いただきました。
講演の最後には、「患者に寄り添うみなさんの手は、魔法の手」と題し、
看護師を目指す学生達へメッセージを頂きました。
講演後は、学生自ら「文字盤」を使わせてもらい、
岩本さんと直接、質疑応答。
岩本さんのお話には、終始、周囲へのサポート、
とりわけ奥様への感謝の言葉にあふれていました。
”私たちは、看護師の手の動きで、そのかたの手に込めた気持ち、
「手当ての心」が感じ取れます。
自分のからだをいたわる時のその手で、私たちを手当てしていただけませんか。”
岩本さんのお話は、看護師を目指す学生達に
知識や技能の他に、もっと大切なものがあることを
教えてくれる内容でした。
その”もっと大切なもの”を胸に、
毎日を大切に過ごして参りたいと思います。
******
岩本 豊さん
ALS(筋萎縮性側索硬化症)当事者。
平成24年にALSの診断を受ける。
奥様との二人三脚で、
入院ではなく自宅療養を決断。
講演会や啓発活動、
香川県ALS患者・家族会の立ち上げ
など、積極的な活動を行ってらっしゃいます。
******
平成28年度生 第1回 入学試験を実施いたしました。
受験生の皆さん、これまでの成果を発揮できたでしょうか?
次回の入学試験は10月17日(土)の実施となります。
(今年度の入学試験情報はこちらから)
西村美穂 先生(香川大学医学部看護学科 老年看護学)をお招きし、
『終末期にある高齢者の家族の体験』と題してお話いただきました。
余命宣告されたお祖父様との日々を通して見えてきた、
看護師として大切にしなければならないもの。
看護師を目指す学生たちに、伝えたかった2つのこと。
・病気を見るのではなく、その人の人生を見て欲しい。
・どんな環境でも、その人らしい生涯を送れるようにして欲しい。
この講義の内容は、国家試験に出る内容ではないかも知れません。
けれど、学生達の心に響き、胸に残るものがあったはずです。
看護学科特別講義では、
これからの看護師として、社会・医療の現場で必要と思われる内容を伝えています。
間もなく初めての実習に向かう1年生たち。
今回の講義で感じたことを、
是非ともこれからの人生に活かして欲しいです。
本日もオープンキャンパスにお越し下さった皆さん、
ありがとうございました。
ご来校いただいた皆さんからは、よく本校の校舎についての
感想をいただきます。
開校3年目なので、「新しい」ことはもちろんなのですが、
学校内に届く、園児の声や遊ぶ音、1F高齢者施設からは
賑やかな声や、昼食の準備の匂い。
1Fロビーで、学校と施設がゆるやかに繋がっている景色には、
皆さん驚かれています。
ここから、通常の専門学校では出来ない体験や出来事、出会いが生まれます。
9/1より願書受付を開始しております。
第1回選考日は9/26(土)。
皆様とお会いできるのを楽しみにお待ちしております。
毎回、季節のものや旬のものを取り入れている
介護福祉学科「表現」の授業。
秋の味覚の代表選手といえば、栗にさつまいも!
ということで、今回は「芋栗ようかん」に挑戦しました。
同じレシピで、同じ素材で、同じ調味料で、
学生達がそれぞれ、ようかんを作った・・・のですが、
不思議なことに、出来上がったようかんは、
それぞれ味も見た目も微妙に違っているのです(笑
さつまいもの分量が少し多かったかな?
それとも、砂糖が少し足りなかった?
支援の現場でも、似たようなことがあります。
あなたのちょっとした一言、
そっと差し出す手のひらが、
目にいる人の笑顔を引き出す。
レシピ通りでは無く、
時には「あなた」というスパイスも
支援の現場では必要になります。
そういった、小さな気付きを感じられる、
介護士を育てたい!
少し早めな秋の香りは、
私たちにそんな思いを運んできてくれました。