第7回 地域福祉講演会わたしの町はみんなが家族【後半】

前回に引き続き、
地域福祉講演会の後半のご紹介です。

町永氏に続き、ご登壇頂きましたのは、稲垣康次氏。

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富士宮市役所の職員であり、認知症フレンドシップクラブの事務局を勤められています。

 

以前から既知の間柄であるお二人。

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町永氏の鋭い質問に対し、「こんなこと言っていいんですかねぇ(笑)」
といいながら、核心をつくやりとりが続きました。

 

富士宮市の認知症に対する先進的な取り組みは、
「始めから狙ってやろうとしたのではない」とのこと。

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そもそも、現場や地域には様々な要望や人的資源があった。

そんな「声」を、(認知症の当事者である)佐野光孝氏と聞いて回る事によって
拾い、つなぐ事ができたそうです。

 

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当事者がその中心にいることにより、
自然と輪が広がり、そこに医師などの専門家が加わっていったのだと。
時には、医師が認知症当事者役として、劇に出てくださったこともあるそうです。

 

また、町永氏からは、「たった一人(=佐野氏)のために行政が動くのは不公平だったのでは?」という質問も。

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当初はそういった非難の声もあったそうです。

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しかし、
取り組んでいるのは答えのない問題。それならば、
目の前で困っている人を救えなければ、
その向こうにいる大勢の人達を救えるはずはないー
そう答えたそうです。

 

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講演最後の質疑応答で、一つの事例をお話くださいました。

ヘルパーが家に行くと、冷蔵庫がいつも卵だらけの認知症の方。
その対策に向かうのは、何と地元商店街。

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事情を聞いた商店街の方。
あるお店は返品対応しよう、他の店はレジで声かけするようにしよう、など、
各お店の方達が、自分たちで出来る対応策を話合われるそうです。

 

富士宮では、店長がお弁当を暖めて認知症の方に届ける、そんなコンビニが普通にあるそうです!

 

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認知症の方が、地域で生き甲斐を持って生きるには、
同じ当事者同士のつながりが最も大事だと確信しています、

と語る稲垣氏。

今は観光課に配属されているそうですが、
これからも、NPO活動を通じて地域づくりに帆走されるそうです!

第7回 地域福祉講演会わたしの町はみんなが家族【前半】

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11/21に本校にて開催された地域福祉講演会。

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たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。

 

前半は、福祉ジャーナリストで元NHKアナウンサーの町永俊雄氏による講演、

 
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「『自分らしく』を作る地域力」と題し、ご講演いただきました。

 

冒頭、「地域の課題」といってもその間口は非常に広く、「認知症を入り口に話を進めてまいります」とのこと。
 

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認知症の方は、2015年(10年後)には700万に達するといわれ、これは高齢者の5人に1人が認知症になる計算になります。
 

しかし、国がうたう「認知症の早期診断」は、それが支援に結びつかない限り「早期絶望」になるしかない。
 

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「認知症と診断されただけで周囲の扱いが変わってしまう」困惑が、当事者からの声でやっと分かって来た、というのが現状です。
 
 

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「認知症」起因のトラブルは、受け手である私たち(=地域)の混乱が原因、と町永氏は指摘されます。

 

『地域を創る』=『福祉を創る』こと。
 
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いじめ、自殺、不登校など、地域の問題の根幹には「孤立・無関心・排除」が原因としてある。
 
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『想像・関心・共感』といった、人が本来持っている力、
そんな力をもった社会が『共生社会』=「『みんなが家族』だ」と実感できる社会

そして、地域というものにはまだまだ、
活用されていないすごい力がある、と。
 
 

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最近、福祉業界で言われる言葉、
「ひとりの百歩より、百人の一歩」

皆で、「みんなが家族だ」と実感できる社会を創って参りましょう」。

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講演後半部分はこちらから。

『地域福祉講演会』開催のお知らせ

高齢になっても、皆が活き活きと暮らせる地域づくり・町づくりを目指し、
2009年に第1回を開催し、今年で7回目を迎える

地域福祉講演会 わたしの町はみんなが家族」。

チラシのダウンロード】(PDF 1.7MB)

 

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今年は本校を会場として開催されます。

 

講演では、元NHKアナウンサーの町永 俊雄 氏をお迎えし、

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「『自分らしく』を作るための地域力」をテーマにお話いただきます。

 

実践発表では、認知症フレンドシップクラブ富士宮事務局

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の方に、認知症の方との富士登山「Dシリーズ」など、
その精力的な取り組みについて発表いただきます。

 

当講演会は、是非とも地域の方たちに幅広く聞いていただきたく、
本校が立地する地元香西地区の方もお招きし、ご挨拶いただきます。

 
 

参加無料でどなたでもご参加いただけます。
(ご参加希望の方は、こちらのページをご参照ください。)

 

皆で、”町づくり”の視点から福祉を考えてみませんか?

皆様のご参加をお待ちしております。

 

看護師への扉を叩いた看護学科1年生【宣誓式】

つい先日に入学したばかりだと思っていた
看護学科1年生。

宣誓式の晴れ舞台に臨みました。

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教員手作りのコサージュを胸に。

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ナイチンゲール像からの灯りを手に。

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これらは、看護師である”先輩達”からの想いを表します。

 

その想いを引き継ぎ、
自分たちが目指す看護師像を宣誓します。

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入学当初に比べずいぶんと頼もしくなった1年生ですが、

11月から始まる臨地実習へ向け、
不安や気持ちの高まりも垣間見られるようになりました。

 

この日、看護師への扉をたたいた学生達。
今、一つの大きな山を迎えようとしています。

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実習を受入れてくださる病院の皆様、
携わっていただいている先生方・・・

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これからも御指導・御鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

看護師の手は、魔法の手【看護学科 特別講義】

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岩本豊さん(ALS-筋萎縮性側索硬化症-患者の当事者)をお招きして、

ALS患者一人ひとりが自分らしく暮らすために
私を生ききる挑戦

と題して、講演をしていただきました。

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ALSとは、運動神経が壊れて筋肉が萎縮していく進行性の難病です。
一般社団法人日本ALS協会のHP)

岩本さんは、その恐怖を”人間性の破壊行為”と表現し、
その発症から診断、現在に至るまでの心境や体験談を、率直にお話いただきました。

 

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講演の最後には、「患者に寄り添うみなさんの手は、魔法の手」と題し、
看護師を目指す学生達へメッセージを頂きました。

 

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講演後は、学生自ら「文字盤」を使わせてもらい、
岩本さんと直接、質疑応答。

 

岩本さんのお話には、終始、周囲へのサポート、
とりわけ奥様への感謝の言葉にあふれていました。

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”私たちは、看護師の手の動きで、そのかたの手に込めた気持ち、
「手当ての心」が感じ取れます。
自分のからだをいたわる時のその手で、私たちを手当てしていただけませんか。”

岩本さんのお話は、看護師を目指す学生達に
知識や技能の他に、もっと大切なものがあることを
教えてくれる内容でした。

その”もっと大切なもの”を胸に、
毎日を大切に過ごして参りたいと思います。

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岩本 豊さん
ALS(筋萎縮性側索硬化症)当事者。
平成24年にALSの診断を受ける。
奥様との二人三脚で、
入院ではなく自宅療養を決断。
講演会や啓発活動、
香川県ALS患者・家族会の立ち上げ
など、積極的な活動を行ってらっしゃいます。
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入学試験を実施いたしました。

平成28年度生 第1回 入学試験を実施いたしました。

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受験生の皆さん、これまでの成果を発揮できたでしょうか?

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次回の入学試験は10月17日(土)の実施となります。

(今年度の入学試験情報はこちらから)

 

大切な人と共に生きている 【看護学科 特別講義】

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西村美穂 先生(香川大学医学部看護学科 老年看護学)をお招きし、
『終末期にある高齢者の家族の体験』と題してお話いただきました。

 

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余命宣告されたお祖父様との日々を通して見えてきた、
看護師として大切にしなければならないもの。

 

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看護師を目指す学生たちに、伝えたかった2つのこと。

 

・病気を見るのではなく、その人の人生を見て欲しい。
・どんな環境でも、その人らしい生涯を送れるようにして欲しい。

 

この講義の内容は、国家試験に出る内容ではないかも知れません。
けれど、学生達の心に響き、胸に残るものがあったはずです。

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看護学科特別講義では、
これからの看護師として、社会・医療の現場で必要と思われる内容を伝えています。

 

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間もなく初めての実習に向かう1年生たち。

 

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今回の講義で感じたことを、
是非ともこれからの人生に活かして欲しいです。

9/12 オープンキャンパス開催!

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本日もオープンキャンパスにお越し下さった皆さん、
ありがとうございました。

 

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ご来校いただいた皆さんからは、よく本校の校舎についての
感想をいただきます。

 

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開校3年目なので、「新しい」ことはもちろんなのですが、

 

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学校内に届く、園児の声や遊ぶ音、1F高齢者施設からは
賑やかな声や、昼食の準備の匂い。

 

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1Fロビーで、学校と施設がゆるやかに繋がっている景色には、
皆さん驚かれています。

ここから、通常の専門学校では出来ない体験や出来事、出会いが生まれます。

 

9/1より願書受付を開始しております。
第1回選考日は9/26(土)。

皆様とお会いできるのを楽しみにお待ちしております。

秋の香りに介護へのヒント/介護福祉学科『表現』

毎回、季節のものや旬のものを取り入れている
介護福祉学科「表現」の授業

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秋の味覚の代表選手といえば、栗にさつまいも!
ということで、今回は「芋栗ようかん」に挑戦しました。

 

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同じレシピで、同じ素材で、同じ調味料で、
学生達がそれぞれ、ようかんを作った・・・のですが、

不思議なことに、出来上がったようかんは、
それぞれ味も見た目も微妙に違っているのです(笑

 

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さつまいもの分量が少し多かったかな?
それとも、砂糖が少し足りなかった?

 

支援の現場でも、似たようなことがあります。

 

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あなたのちょっとした一言、
そっと差し出す手のひらが、
目にいる人の笑顔を引き出す。

 

レシピ通りでは無く、
時には「あなた」というスパイスも
支援の現場では必要になります。

 

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そういった、小さな気付きを感じられる、
介護士を育てたい!

少し早めな秋の香りは、
私たちにそんな思いを運んできてくれました。